主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
Covid-19 パンデミックが夢,悪夢,ネガティブな感情体験頻度を増加させる形で夢見に影響を与えた事を示す報告が増えつつある。しかし,定量的な研究ではパンデミック発生以前のデータと比較したものは少なく,認知的側面への影響,睡眠状況との関連性等未知の部分も多い。本研究では大学生を対象にした過去8年間の夢見に関する質問紙調査の結果をもとにパンデミックが夢見に与えた影響について検討した。調査年は2013年~2020年,対象者は4つの大学の学生4005人(男性671人,女性3334人)。夢見に関する質問項目は夢想起頻度,感覚別体験頻度,感情別体験頻度(岡田,2000.2001)悪夢の内容別頻度と強度(岡田・松田,2018),睡眠については3次元型睡眠尺度(松本ら,2014)を使用した。夢想起頻度は過去7年と比較して2020年のみ有意に高くなった。パンデミック前後の比較では,視覚,聴覚,運動感覚の頻度が高くなったが,感情別では肯定的,否定的感情の両方の頻度が低下した。しかし,悪夢の内容別では強度が上昇していた。睡眠に関しては睡眠の質が下がるほど夢想起頻度が増える傾向が有意となった。