2021 年 20 巻 2 号 p. 196-203
本研究では、首都圏の4つの郊外住宅地でのアンケートおよびインタビュー調査・分析を通して、新型コロナウイルス感染症感染拡大下における郊外住宅地居住者の「居場所」の形成やその変容を明らかにするとともに、感染拡大下において生活満足度を高めるための郊外まちづくりに関する示唆を得た。その結果、「居場所」の種類や数の変化自体は生活満足度に影響を与えないが、外出の自粛などライフスタイルの変化によって重要な「居場所」が失われると生活満足度が低下することが示唆された。感染症感染拡大下にて生活満足度を高めるためには、住宅地での生活するための選択肢を増やし、リアルな空間とデジタルな空間を融合させながら「居場所」を維持する工夫が必要であると考えられる。