2022 年 78 巻 6 号 p. II_826-II_837
2020年初頭より,新型コロナウイルスCOVID-19が全世界で猛威を振るっており,各国の経済活動に大きな影響を与えている.そのため,都市間移動を中心に人々の移動需要が減少し,航空国内線では,減便等により供給の調整がなされた.
本研究では,こうした影響について,民間フライトログデータ公開サイト「Flightrader24」を用いてフライトデータを収集し,羽田空港発着の7路線に着目して便数や提供座席数の推移を定量的に分析した.その結果,感染の拡大状況に応じて運休や便数を減少させつつも,小型機への機材変更等により最低限のサービス水準を確保していたことが確認された.また北海道や沖縄などの離島路線では,貨物輸送能力の確保のため,大型機での運航が継続されていたことも確認された.