感染症学雑誌
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原著
COVID-19関連肺炎13例における胸部CT画像の特徴
中川 裕太笠松 悠福岡 里紗森田 諒山根 和彦小西 啓司麻岡 大裕中河 秀憲白野 倫徳天羽 清子外川 正生後藤 哲志
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2020 年 94 巻 6 号 p. 814-820

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抄録

大阪市立総合医療センターに入院したCOVID-19関連肺炎13例において,再検例を含むのべ20件の胸部CT画像について検討した.全例で胸膜直下の病変とground-glass opacity(GGO)を認めたが,胸水,心嚢水,縦隔・肺門部リンパ節腫脹,空洞形成は認めなかった.また,酸素投与を要した3例は下葉のvolume loss とともに胸膜直下の病変と結合する気管支血管束の病変が認められた.発症時期から画像所見を分類するとGGOは発症早期(10日未満)に多く認められ,crazy-paving pattern,consolidation,背側のconsolidation の帯状の融合像は発症後期(10日以降)に多く認められた.鑑別疾患としてはインフルエンザなどによるウイルス性肺炎と器質化肺炎が重要と考えられた.詳細な問診による発症からの期間と胸部CT画像の特徴的な所見や経時的変化を合わせて理解することで,COVID-19の事前確率を適切に評価し,診断と治療および感染対策につなげることが重要である.

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© 2020 一般社団法人 日本感染症学会
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