日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PC-049
会議情報

3. 社会・文化
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行によるリスク認知と行動への影響(2)―感染回避のための施策により発生した社会生活の諸側面に対するリスク認知の検討―
*武田 美亜小森 めぐみ高木 彩
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

本研究では,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行および感染回避のための施策により発生した社会の複数の側面に対するリスク認知について検討した。南関東の1都3県に住む成人627人を対象として2020年3月末にweb調査を行い,新型コロナ,肉体的健康,心理的健康,経済,環境,主権,差別の7つの側面に対するリスク認知を尋ねたほか,新型コロナの関心,主観的知識,客観的知識,政府への信頼も測定した。リスク認知に対して性別×年代×リスクの種類の分散分析を行ったところ,経済のリスク認知はほかのリスクよりも高く,女性は男性よりもリスク認知が高かった。40,50代は経済のリスクについで心理的健康や差別のリスクも認知も高かった。60代以上では新型コロナのリスクと環境のリスクも高く認知していた。新型コロナ以外のリスク認知を目的変数とし,性別,年代,新型コロナのリスク認知,関心,主観的知識および客観的知識,政府への信頼を説明変数に重回帰分析を行ったところ,リスクの種類により有意な効果には違いは見られたが,いずれのリスク認知に対しても,新型コロナのリスク認知の有意な効果が見られた。

著者関連情報
© 2020 公益社団法人 日本心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top