2021 年 30 巻 4 号 p. 463-466
コロナ禍においては,研究者が集まる学会やシンポジウムなどの学術イベントは現地開催が困難な状況にあり,オンライン上での試みが多く行われている.オンラインの学術イベントについては,感染リスクが低い状況で参加できること,さらにこれまで空間的・時間的制約により参加が困難であった参加者との議論が可能になったことが利点として挙げられる.一方で,直接交流し,体験することで行っていた課題・現状の共有や議論をどう行うかが課題となっている.
発表者らは,地域の学術資料の保存・継承・利活用について多面的かつ学際的な議論をする「学術野営2020 in 奥州市」を2020年7月10日(土)・11日(日)にオンラインで開催した.本発表では,学術野営2020における「オンライン巡見」を中心に,遠隔で参加者同士が課題や現状を共有し議論を行う学術イベントの実践に関する考察を行う.