本調査では、開発途上国を中心とした諸都市での変化を生活者の視点から把握するため、JICAの海外駐在員を対象としたアンケート調査を実施した。その結果、個人のライフスタイルや空間の利活用、都市政策に変化が見られたほか、脆弱な交通システムといった既往の都市課題においても密回避のための新たな視点の必要性や、これまで認識されてこなかった新たな課題も認められた。国際協力の観点からは、都市マスタープランの策定といった従来のアプローチの有効性が認められた一方で、多くの都市でニューノーマルの議論がなされていないことが明らかとなり、今後はコロナ禍で生じた変化の定着可能性や課題の分析を通し、適切な施策を講じていく必要がある。