日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PC-088
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3. 社会・文化
新型コロナウィルスへの不安と個人差変数との関連
*古川 善也礒部 智加衣相馬 敏彦
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抄録

昨今の新型コロナウィルスの流行において,人々は感染流行の対する不安や流行に伴う影響からの社会情勢への不安を抱いている。このような流行への不安や社会情勢に対する不安について,個人差変数との関連について検討した。個人差変数として評判への関心(De Cremer & Tyler, 2005),自由意思信念(渡辺他,2014),感染脆弱意識(福川他,2014)を取り上げた。相関分析の結果,評判への関心については不安得点との間に相関関係は見られなかった。自由意思信念,感染脆弱意識の下位尺度については流行および社会情勢に対する不安得点と概ね正の相関関係が示された。流行に対する不安は特に感染脆弱意識の易感染性と相関を示していた(r=.32)。社会情勢に対する不安は特に感染脆弱意識の感染嫌悪(r=.24)や自由意志信念の予測不可能性(r=.19)と相関を示していた。また,データの測定時期が3月下旬と緊急事態宣言の発令前であり,日本において新型コロナウィルスへの危機意識が一時弛緩した時期であったが,流行や社会情勢に対する不安は5点中それぞれ平均値が4.0点,4.3点と高い数値であった。

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© 2020 公益社団法人 日本心理学会
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