情報知識学会誌
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アフターコロナの学術広報におけるオープンサイエンスを考える
池谷 瑠絵
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2021 年 30 巻 4 号 p. 471-476

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抄録

 学術広報は,本質的に社会との関係構築を図る活動であることから,目的やミッションにおいてオープンサイエンスとの共通性が見出し得る.しかしその背景にある技術に注目すると,20世紀のマスメディアの隆盛と共に発達してきた,学術広報を含む広報一般の手法と,今日の発達したICTを背景とするオープンサイエンスには大きな違いがある.ところが新型コロナウイルスの感染拡大によって,学術広報の各種イベントがオンライン化され,印刷物がウェブ配布,動画などに切り替わり,広報活動の大きな3つの領域であるウェブ,印刷物,イベントの多くがウェブ上に集約され,新しいコミュニケーション・ツールの利用も進められるという急速な変化が起こった.この現況を調査し,本研究に先だって行った学術広報の現況調査から抽出した広報の機能に,どのような変化が起こっているかを検証し,今後のオープンサイエンス推進と広報における残る課題について展望する.

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