理学療法科学
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症例研究
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染患者に対し理学療法を施行した一症例
成田 寿次秋山 浩一三浦 俊之角田 莉奈小島 奈穂佐藤 和強松本 卓也
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2020 年 35 巻 5 号 p. 751-755

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抄録

〔目的〕新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)にて呼吸状態が悪化し体外式膜型人工肺(ECMO)が導入され救命が得られ,廃用に対し理学療法を実施した一症例を経験したので,ここに報告する.〔対象と経過〕69歳,男性でクルーズ船に乗船し,その後SARS-CoV-2に感染し,2月11日他院に入院となった.2月16日より人工呼吸器管理,2月17日よりECMOを導入した.2月20日ECMO装着下で当院に搬送となる.2月25日ECMOを離脱,2月29日人工呼吸器を離脱した.3月5日集中治療室から陰圧病棟へ転棟した.実際に陰圧室の前室で看護師にチェックしてもらい入室した.3月21日日常生活が自立し,独歩で自宅退院となった.〔結語〕肺炎による重症呼吸不全と同様の理学療法を施行した.理学療法中のSpO2の変動が大きかった.レントゲン上肺浸潤影が最後まで残存しており,換気血流比不均等が生じていたと考えられた.

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© 2020 by the Society of Physical Therapy Science

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