学術の動向
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ウィズ/ポストコロナ時代の民主主義を考える ─「誰も取り残されない」社会を目指して─
コロナパンデミックと民主主義
安中 進
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2022 年 27 巻 9 号 p. 9_17-9_22

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抄録

 COVID-19の発生以来、世界中で膨大な犠牲者が出ている。そうした中で、中国を代表とする権威主義国家では、市民の自由を即座に厳しく制限することにより感染抑止に成功し、犠牲を最小限に留めているという指摘がある。しかしながら、権威主義国家が報告するCOVID-19関連のデータの信頼性には多くの問題が指摘されており、こういった問題を考慮に入れた上で比較を行わなければ、権威主義国家の優位性を過大に評価する可能性が高い。また、強権的な政策は、必ずしも十分な感染抑止効果があるともいい切れず、感染抑止のメカニズムから考えても、権威主義国家の優位が立証されているとはいえない。

 本論文では、以上のような観点から、政治体制とCOVID-19の関係を分析した先行研究をまとめ、現在の研究の方向性を示す。結論は、民主主義国家が権威主義国家と比較して必ずしも不利にあるとはいえないというものである。

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